キャリア教育と道徳(4年)
『キャリア教育と道徳』
キャリア教育と道徳教育とは、児童に社会性を伴った価値観の育成を目標とするという点で、共通性があります。そこで、道徳教育で「よく考えて行動し、節度ある生活をする」ことを指導する際、キャリア教育のねらいに関連付けることで、道徳教育の目標を達成させるとともにキャリア教育に関わる能力も高め、自立した生活をしようとする気持ちをもつことができると考え、道徳の授業をしました。
児童が自立して活動するためには、自分自身でどのように行動することが望ましいのかを考える必要があります。ところが、児童の様子を見ると、ついつい楽なことや楽しいことを優先し、やるべきことを後回しにする傾向があります。節度ある生活を送ることは、健康で安全に生活ができるだけでなく、自分を高めることにもつながり、その後の自分にとって役に立つことであると考えます。そこで、児童自身が節度ある生活を送ることが望ましいことを内面から自覚し、自制心が培われるようにと道徳の時間に「エジソンとえいじ」という資料を使って指導をしました。このように道徳の時間の指導を通して、「できること」「したいこと」についてよく考え、自分の感情を律し、自信や自己有用感をもって主体的に行動する態度を育てることによって、キャリア教育で育成すべき自己管理能力を高めていくことにつながると考えます。
「エジソンとえいじ」という資料は、学校から帰った主人公のえいじが、先に三輪車の改造をするか、明日までに書くことになっている宿題のカードをするか迷うが、関心の高い三輪車の改造をすることを優先し、宿題ができなかったと後悔する内容です。この資料は、児童に身近な問題を含んでおり、児童が自分の課題として捉えやすいものでした。えいじが、宿題をするのか三輪車の改造をするのか迷う場面を中心に話し合い、児童の発言をもとに道徳的価値を類型化しました。価値ごとに色分けしたカードを活用することで、児童は互いの考えを視覚的に捉えやすく、小グループでの話合いでは、自分の本音を素直に伝えることができました。
その後の学級全体での話合いでは、様々な考えがたくさん出ました。
<様々な考え>
・ 宿題なんていつでもできる。
・ 宿題は簡単そうだから後でもできる。発明の方が大事。
・ 宿題を先にした方が、楽しいことをゆっくりできる。
・ 楽しいことを先にしたい。
・ 迷うなあ……
・ 宿題はしないといけない。
・ 時間の使い方をよく考えて、宿題を先にしたらよかったな。
↓
<学習を通して思ったこと>
・ もじのけいこをめんどくさいと思って後回しにしたけど、あのときにやっておけばよかったと思った。
・ 宿題を先にしておけばよかったと思ったことがあったから、これからは宿題を先にして遊びに行きたい。
・ 計画を立てて予定通りに宿題を終わらせ、楽しい冬休みになった。
・ 好きなことより宿題の方が大事なので先にやる。
・ 優先順位を決めているのに先に遊んで、そろばんを後で嫌々したので、成績が下がってしまった。
・ やりたいことがあったけど、復習を優先したので、その日のテストはいい点だった。
・ 宿題をしていたのだけれど、約束をしていたので途中で遊びに行った。帰ってから、先に宿題をしておけばよかったと思った。
・ お母さんに「自分の部屋を片付けといてよ。」と言われたとき、少しだけ片付けて遊んでいたけど、やっぱりきちんと片付けたらよかった。
児童は、多様な考えに触れ、自分の生活を振り返ることによって、節度ある生活を送ることが自分を高める良い習慣であることに気付いていきました。この気付きが、キャリア教育でねらっている自己管理能力を高めていくことにつながる授業になりました。

